ご依頼者様の代理人として動かれている方へ。
相手方がシンガポールにおられる案件で、回収や手続きをご検討の段階かと思います。
このとき最初に決まらないのは、請求の中身ではありません。その相手に、届く資産があるかどうかです。ここが分からないまま手続きを設計すると、勝っても回収できないという結果になります。
01なぜ、シンガポールを見ても足りないのか
シンガポールは、事業の統括機能と居住地として選ばれる国です。資産の置き場所として選ばれているとは限りません。各国から来られた方の場合、資産は出身国とその周辺に残ったままであることがほとんどです。
統括法人の登記、役員としての登録、居住の実態。
手続きの相手方が誰かは分かります。ただし、そこに資産があるかどうかは別の問題です。
不動産、法人の持分、関連会社を通じた保有、名義が家族や共同経営者に移っているもの。
これらは出身国と、事業の実体がある国に残ります。
ご依頼の多くは、右側を知りたいというものです。どの国の資産に手が届くかが固まらないと、手続きの設計に入れないためです。
当社が確認を行うのは、資産が実際に所在する国です。国ごとに公開されている記録の範囲が違うため、次のブロックで先に線を引きます。
02できることと、できないこと
資産の調査は、期待と実際が最も離れやすい分野です。ご依頼者様に説明していただく必要がありますので、線を先に引きます。
- 預金口座の有無や残高を調べることはできません。どの国においても、正規の手続き以外で取得できる情報ではありません。
- シンガポール国内での調査行為は行いません。
- 非公開の記録を、正規の手続き以外で取得することはいたしません。
- 身分を偽って対象者や関係者、金融機関に接触することはいたしません。
- 資産の価値を評価したり、回収の見込みを申し上げることはいたしません。
一つ目を最初に置いています。口座を調べられると謳う会社がありますが、当社はいたしません。正規の手続きを経ずに取得したものは、その後の手続きで使えないうえ、ご依頼者様の立場を危うくします。
最後の一つも同じ理由です。回収できるかどうかの判断は、代理人の方の領域です。当社は、判断の材料になる事実を、確かめられた範囲とあわせてお渡しします。
| 不動産 | 登記記録に残っているもの。本人名義のほか、関連する法人の名義になっているものを含めて確認します。 |
|---|---|
| 法人の持分 | 株主や出資者としての登録。休眠状態の法人に残っているものも対象です。 |
| 役員としての関与 | 現在および過去の登録。過去に外れているものが、実態としては続いている場合があります。 |
| 名義の移動 | ご家族や共同経営者の名義になっているもの。いつ移されたかが記録に残っている場合があります。 |
| 係争の履歴 | 過去に当事者となった手続きの有無。同種の請求が先行していないかを見ます。 |
いずれも資産が実際に所在する国で確認します。台湾・中国・香港・韓国・マレーシア・インドネシア・タイ・ベトナム・フィリピン・日本。国ごとに公開されている記録の範囲が違うため、届く深さは一律ではありません。着手前に、対象国ごとの見込みをお伝えします。
何も出てこないことがあります。記録上、その方の名義で残っているものが見当たらない、という結論です。これは失敗ではなく、ひとつの結果です。手続きに進むべきかどうかの判断材料として、そのまま書面に記載してお渡しします。
むしろ、着手前にこれが分かることに意味があります。回収の見込みが立たない相手に手続きの費用をかけずに済むためです。
制度上、取得が制限されている記録もあります。ただし、一切開かないという意味でもありません。どなたが何のために必要とされるかによって道が残っていることがあります。そこはご相談の中でお答えします。
03手続きの前に、どの順で固めるか
国を跨いだ請求では、調べる順番で費用が変わります。先に相手方の所在と資産の有無を確かめておけば、届かない相手に手続きの費用をかけずに済むためです。
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STEP 01
相手方が誰かを確定する
シンガポールの統括法人か、出身国の事業体か、それとも個人か。請求の相手を間違えたまま進むと、後から差し替えられません。登記と実態の両方を突き合わせます。
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STEP 02
資産がどの国にあるかを見る
出身国とその周辺、事業の実体がある国。名義が本人から離れているものも含めて、記録に残っている範囲で確かめます。
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STEP 03
動かされていないかを見る
名義がいつ移されたかが記録に残っている場合があります。請求を予期した時期と重なるかどうかは、代理人の方が判断される材料になります。
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STEP 04
先行している請求がないかを見る
同じ相手に対して、すでに他の請求や手続きが進んでいることがあります。順番が後になるかどうかで、見込みが変わります。
ここまでを一本の報告書にしてお渡しします。どの国の資産に手が届くかという一点を先に固めるためのご依頼を、法律事務所からお受けしています。
各国の調査会社にそれぞれ依頼された場合、届くのは国ごとにばらばらの報告です。記録の呼び名も、確認の深さも揃わないため、「どの国が一番早いか」を比べる作業がご依頼者様の手元に残ります。
当社は各国に体制を持っているため、対象者ひとりについて、複数国で確認した結果を同じ基準で並べてお渡しします。どの国で何が確認でき、何が確認できなかったかが、一枚の表で見比べられる形です。
対象国の組み合わせは案件ごとに違います。どこを見るべきかが決まっていない段階でも、伺った内容から当社で案をお出しします。
05費用について
費用は、確認する国の数と、それぞれの国で入る深さで決まります。不動産と法人の持分まで見るのか、名義の移動と係争の履歴まで遡るのかで変わります。
ご相談の段階で範囲を決め、着手前に総額を確定してからご契約いただきます。進行中に費用が増えることはありません。
- 対象者と対象国が定まらない段階で、金額をお答えすることはできません。
- 回収額に応じた料金でのお引き受けはしておりません。当社は回収を行う立場になく、確認した事実をお渡しするところまでが業務のためです。
- 何も出てこなかった場合も、確認そのものに費用が発生します。
おおよその幅は、対象国の組み合わせを伺えばその場でお伝えできます。詳しくは費用のページをご覧ください。
06よくいただくご質問
相手の預金口座を調べてもらえますか。
いたしません。口座の有無や残高は、どの国においても正規の手続き以外で取得できる情報ではありません。当社が確認するのは、登記や登録として記録に残っている資産です。
回収できる見込みがあるかを教えてもらえますか。
判断は申し上げません。事実をお伝えするところまでが当社の仕事です。どの国にどの資産が記録として残っていて、何が確認できなかったかをお渡ししますので、そこから先はご依頼者様と代理人の方でご判断ください。
何も出てこなかった場合、費用は返ってきますか。
お返しできません。確認そのものに費用が発生するためです。ただし、記録上に何も残っていないと分かること自体が結果です。手続きに進むかどうかの判断材料になりますので、そのまま書面に記載してお渡しします。
相手に調べていることが伝わりませんか。
依頼元が判る形で対象者や関係者に接触することはいたしません。ただし、絶対に気づかれない、とは申し上げません。相手が請求を予期している状況では、確認の動き自体が伝わる可能性があります。その見込みも含めて、着手前にお伝えします。
どの国を調べればよいか分かりません。
伺った内容から当社で案をお出しします。対象者がどこから来られたか、事業がどこで動いているか、ご家族がどこにおられるか。この三つが分かれば、見るべき国の見当がつきます。








